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「あなたのいるたった一つの世界」あとがき

あなたのいるたった一つの世界 | 小説投稿サイトのアルファポリス

 

※例によって長いです。

 


 無事書き終えることが出来た「あなたのいるたった一つの世界」。初出のタイトルを「君といない過去で」としていましたが、当初のプロットから大きくは動き方を変えていないにも関わらず、よく考えたらテーマが過去の世界じゃないじゃん、ってことに気付いたので、完成後に変更することにしました。

 


 本作を書くきっかけとなったのは、うちの賞に出してみなよとアルファポリスさんのTwitter支部のアカウントからお誘いを受けたことにあります。どのくらいの量の方に声をかけているかとかは知りませんが、折角だから乗っかってみるか、ということで一月の末に書きはじめることを決断しました。

 そこから何とか一ヶ月で、トータル80,689字の本作が仕上がりました。

 


 プロットは書かない、と決めていたこれまでの方針を少しだけ転換して、粗いプロットを用意するという新しい執筆スタイルで取り組んだ初めての作品でした。

 確かにプロットの効用は強いことを確認させられたのですが、それ通りに書こうとして苦しかった点などもあり、今後またやり方を工夫していきたいところです。

 


 さて、本作のテーマは、タイムスリップ×恋愛ということで、ほんのりSFほんのりファンタジーを織り交ぜた作品にしています。

 もう一つの過去は、冷めた恋に、再び熱を入れること。これまではゼロからのスタートが多かったので、付き合ってからの話を書いてみたいな、と思っていました。

 主人公の菜緒が戻るのは、自らの過ごしてきた時間ではなく、少しだけ違う別の過去。これは、そのままだと多分もう一回やり直しちゃうよな、ということでやめた、んだと思います。あんまり深く考えてなかったです。

 


 タイムスリップは、少し前にドラマの「JIN-仁-」を見て強い影響を受けたことが、取り組んだ最大の所以になります。主人公の南方仁が、病院の外に付けられた階段から転がり落ち、江戸時代にタイムスリップするという設定に着想を得て、タイムスリップには階段から落ちる要素を使いました。

 実際、作中にはそれを仄めかす記述を入れています。ただし、意図しない時間移動には階段を、最後に戻りたいと強く願った際には別の移動方法を、ということで、独自の設定も加えました。最後の感じとしては、マジックショーの感じでしょうか。

 


 また同じ顔で、同じような運命を辿ってきていても、それが同じ人物なのか、という命題については、「妖狐×僕SS」にヒントを得ました。これも、作中にその要素を仄めかしてあります。もっとも、これに関しては最初から着想を得たというよりは、書いている内にそういえば、と思い出した感じで、後から補強するのに使った感じです。

 


 あまりくどくどしたのが続いてもあれなので、ここで登場人物についての所感を挟みます。

 


・桜木菜緒

 ナオは音が好きなので、本作の主人公に付けることにしました。主人公の名前って物凄く大事で、私が好きになれないと書く気がしなくなります。

 今回は出来るだけ普通にいそう、という要素を強くしたかったこともあって、かつての同級生からもらいました。

 漢字は今回気にしていませんが、菜という字は女性の名前としてとても素敵ですよね。ついてる人が少し羨ましいです。

 苗字は少しだけかっこよくなるよう、桜というかっこよさをあげました。姓名のバランスというのでしょうか、一応フィクションなので、どこかでかっこよくもあってほしいんですよね。

 菜緒ちゃんは可愛いです。綺麗よりは可愛い、を意識しました。

 


・柳涼真

 俳優の竹内涼真からいただきました。最近「仮面ライダードライブ」を見たのがきっかけです。

 男性の名前を考えるのは苦手で、いつも同じようなものにしてしまう気がします。一部の名前はNGワードみたいになってますし、それは多分、自分の中での嫌な記憶と名前とが結び付いてるからなんでしょうね。その中で、今すごく素敵なイメージと結び付いている涼真という名前を、彼にあげました。

 苗字は「ホリミヤ」の柳君から。全体的にイケメンの名前をあげましたが、涼真はそこまでイケメン設定じゃないです。感覚で言うと、女子10人に聞いたら4〜5人が良いんじゃない? っていう程度ですね。

 


・綾先みどり

 平仮名にしたかったので。確か昔、ゆかりという名前のヒロインを出したことがあったような。平仮名にする時は、基本発想が同じなのかもしれません。

 苗字は「ホリミヤ」の綾﨑さんから。柳君からももらってるので、一字変えました。

 多分、何もしなかったらモテるタイプ。でも麗音ヲタを発症してるので、男が寄り付かないんです。

 


・まどか先生

 保健室の美人先生にいそうじゃない?

 とかいう感じで作りました。苗字は考えてたんだっけ。

 旦那がいます。当初の予定ではここまで活躍させるつもりはありませんでした。

 大人、って書くのが苦手です。でも、彼女はよく働いてくれた気がします。

 


・貴子

 多分苗字は考えてないはず。

 子がつく名前は時々出すんですが、不思議とみんな大切にしたく思う名前になります。

 たかこぉぉぉ! って叫ぶようなファンがつくと思います。見た目は私の好みにしてます(容姿はあまり書かないようにしてるので、これは全て心の中)。

 


・その他

 喋ったのは板橋凛夏と古沢君くらいでしょうか。あまり出すとみんなが薄くなるので、量の調節は今作はそこそこ上手く行ってたと思います。

 


・麗音(ゲスト出演)

 せっかくなので特別出演させました。「歌い手カレシと絵師なカノジョ」第三部以降の世界と繋がっています。麗音は世界の宝になっちゃってる感じです。特に物語の上では喋らせてませんが、心の中には夕葉がいっぱいです。

 


 だいたいこんな感じです。

 基本的に名前をもらったりしても、それ以上のモデルにはしてないです。

 


 ここからは、ところどころ出した諸要素について適当に記していこうと思います。

 


・スタヴァ

 ご存知スター○ックスをもじってます。正式名称はスターヴァーストです。

 


・複合施設

 ショッピングモールほどではないやつです。

 


・例の階段

 昔、神奈川に住んでた時、祖母の家の近くにものすごーーーい階段があって、それをふいに思い出したのがきっかけです。山の上から下りるのに使うものでしたが、子ども心に見たその光景は、なかなか凄まじいもので、今でも強く印象に残っています。

 


・カラオケ

 イメージとしてはジャ○カラです。私は滅多に行きません。

 


・文化祭

 九月に行う予定でした。作中では六〜八、十月しか描かれないので、文化祭がどうなったかは謎です。劇としてイメージした作品は特にないです。

 


・街

 基本的に舞台は神奈川だと思ってください。ここで言う街は、東京のことだと思います。

 


・通学

 菜緒も涼真も電車通学です。実は涼真とは家が近め、という感覚です。

 


 ざっと思いついたのはこれくらいでしょうか。

 私の作品は圧倒的に心理描写が多いので、あまり外のことを書かないのがいつも反省点なのですが、そろそろ取材やらなんやらもした方が良いのかな、なんて思います。

 


 もう既に次回作の構想も練っていたりはします。

 今度はもっと上手く書けたらいいね、って。

 


 ここまでお読み下さり、ありがとうございました。