夢って遠いね

ほっと一息つきたいあなたに、ささやかな憩いの時間を。

【詩】石蹴り【朗読】




 小学生が始めた石蹴り

 いまだに僕は蹴り続けてる

 ランドセルがエナメルバッグになって

 スクールバッグからトートになっても

 タイムカプセルの上にあった石を蹴る

 


 一人、また一人とやめていく

 まだやってるのかと笑う声

 僕は言い返せなかった

 どこへ向かってるかなんて

 ゴールテープを切らなきゃ言えない

 


 いつだって僕を引き留めてくるのは

 石蹴りをやめてしまった奴らだ

 意固地になってるだけだなんて言って

 説得しにかかる奴らもいるけれど

 これだけは譲るわけにいかないんだ

 


 いつ石が溝に落ちるか分からない

 先に足が上がらなくなるかしれない

 そんなリスクを抱えて蹴り続ける

 夢を追うと言うには恥ずかしく

 石蹴りと呼び始めた僕の生き甲斐